遂行機能課題のプリント教材 – リハプリント

2019年4月28日2022年8月21日

遂行機能課題プリント（実行機能課題プリント）
【PT・OT・ST】リハビリ専門家のための教材・素材集

【更新状況】 2022年8月21日（土）

【遂行機能課題（論理的思考・思考セットの変換 – 思考の柔軟性）】遂行機能障害向けプリント教材「ナンバープレース課題」へのリンクを公開しました。

8月14日（日）

【遂行機能課題（思考セットの変換 – 思考の柔軟性）】遂行機能障害向けプリント教材「シークワーズ課題」へのリンクを公開しました。

遂行機能課題（実行機能課題）に関するプリントを公開していきます。

作業療法士・言語聴覚士をはじめとしたリハビリ専門家が、遂行機能障害に対するリハビリテーションを考える際に

「とりあえず、BADSの評価はしたけれども・・・」
＊　BADS（Behavioural Assessment of the Dysexecutive Syndrome）
　：遂行機能障害症候群の行動評価

「はて？どのように支援をすればいいのだろうか・・・」

と頭を悩ませる機会が多いのではないかと思います。
遂行機能は、大まかに

①　目標設定（Goal Formation）
②　計画立案（Planning）
③　計画実行（Carrying out goal-directed plans）
④　効果的遂行（Effective performance）

参考：
The Problem of Assessing Executive Functions
International Journal of Psychology 17（1982）281-297

の4段階から成ると考えられているようですが、いざ、遂行機能障害に対する支援を計画しようとした時に、

「ところで… いったい、何をすればいいのだろうか？」

と途方に暮れますよね・・・
遂行機能障害のリハビリテーションは、支援者自体の「遂行機能」が問われるのではないかと感じていますが、日々の臨床業務が忙しいために、自分自身の遂行機能が低下してしまい、思い描いたような支援を計画できないこともあるのではないかと察します。

遂行機能というのは、単一のわかりやすい脳機能というよりも

・注意の分配（分割注意）/複数課題の処理能力
・思考セットの変換（思考の柔軟性）
・思考スピード（処理能力）
・帰納的推測・推論（抽象化する能力）

をはじめとした様々な脳の機能が絡み合い、結果的に、思考や行動を制御する認知システムとして働いていると考えられているようです。
一見すると遂行機能というものは捉えどころがありませんが、支援者が、代償的・補填的・環境調整的な支援（スケジュールノートの活用・手順書/マニュアルの活用・外言語化/内言語化・他者による声かけ・情報の視覚的構造化）以外にできる直接的な支援としては

・遂行機能の4段階（目標設定・計画立案・計画実行・効果的遂行）を意識した支援
・前頭葉機能を意識した支援

なのではないかと思います。

また、脳の損傷の程度にもよりますが、遂行機能のリハビリテーションは、決して短時間で成し遂げられるようなものではなく、残りの人生を通して少しずつ成し遂げられていくものではないかと感じます。
長期的な視点としては、対象者に関わる身近な人々（ご家族など）が、その方の特性を理解し、受け入れながら、温かい目でその方のチャレンジを応援し続けられるように、その方に関わる周りの方への支援（心理教育）をする視点が大切になってくるのではないかと思います。
微力ながら、公開している一連のプリント課題が、臨床家の方が支援を考える際の何かしらのヒントになることがありましたら幸いです。

【遂行機能課題・実行機能課題：Executive function task】

【遂行機能課題（目標設定〜修正）】遂行機能障害向けプリント教材

遂行機能障害向けプリント教材の無料ダウンロード
：【遂行機能課題（目標設定〜修正）】遂行機能障害向けプリント教材 | 無料ダウンロード

目標設定・計画（プランニング）・実行・比較検証・修正などの遂行機能課題です。

【遂行機能課題（問題解決・リアルフィードバック）】遂行機能障害向けプリント教材

遂行機能障害向けプリント教材の無料ダウンロード
：【遂行機能課題（問題解決・リアルフィードバック）】遂行機能障害向けプリント教材 | 無料ダウンロード

リアルフィードバック向けの遂行機能（問題解決）課題です。
リハビリ専門家の中にも、「ヒヤリハット」などを報告する際に記載する報告書を通して、このような一連の思考過程を経験された方もいるのではないかと思います。
一連の質問内容について考える際に、頭が働く感覚（前頭葉が働く感じ）がわかる方もいるのではないかと思いますが、慣れるまでは大変ですよね・・・
自分が経験したことを

・時系列に沿って振り返り
・課題を抽出し
・改善策を考える

という思考過程を通して、少しずつ人は学んでいくのでしょうね。

その他にも、重要と感じることとして

・人の振り見て我が振り直せ

の視点ではないかと感じています。
誰でもそうですが、自分自身で気づき、自分から変化しようと思えた時に、人は大きく成長（変化）できるのではないかと思います。