ナンバープレース（ナンプレ）・数字パズル課題のプリント – リハプリント

2022年8月20日2022年9月2日

ナンバープレース（ナンプレ）・数字パズル課題
【PT・OT・ST】リハビリ専門家のための教材・素材集

【更新状況】 2022年8月20日（土）〜22日（月）

ページを公開しました。

ナンバープレース・ナンバープレイス（ナンプレ：Number Place・Figure Place）に関するプリントを無料公開していきます。
ナンバープレースは、以下の3つのルール

①空欄のマスに、1〜9の数字を入れる。
②縦・横の各列・各行に、同じ数字が重複してはいけない。
③太線で囲まれた3×3のブロック内に、同じ数字が重複してはいけない。

を守って、実施するパズル課題です。
ナンプレと認知機能に関わりそうな研究動向の歴史について調べてみると、2018年にスコットランド・アバディーン王立病院の方と、アバディーン大学の共同研究として発表された研究論文で、

・日常的な知的活動により、知能低下の出発点を高めに保てる可能性の示唆
・クロスワードやナンプレなどのパズル課題が知的機能（記憶力と処理速度）の低下予防に影響していない

出典：
Intellectual engagement and cognitive ability in later life (the “use it or lose it” conjecture): longitudinal, prospective study
（晩年における知的エンゲージメントと認知能力 (「使うか失うか」の予想): 縦断的前向き研究）
BMJ. 2018 Dec 10;363:k4925.
doi: 10.1136/bmj.k4925.

旨の研究結果が報告されたことで、巷で行われているいわゆる「脳トレ」に対する疑いの目がかけられる根拠となったようでした。
その後、2019年には、イギリスのエクセター大学とキングス・カレッジ・ロンドンによる研究発表で、

・50歳から93歳の成人における数字パズル（クロスワード・ナンプレ）の実施頻度と認知機能の質との間に密接な関係があることを確認

出典：
The relationship between the frequency of number-puzzle use and baseline cognitive function in a large online sample of adults aged 50 and over
（50歳以上の成人の大規模なオンラインサンプルにおける数字パズルの実施頻度とベースラインの認知機能との関係）
Int J Geriatr Psychiatry. 2019 Jul;34(7):932-940.
doi: 10.1002/gps.5085. Epub 2019 Feb 28

とのことで、現在（2022年時点）も、脳トレの定番としての地位を保っているようでした。
ナンプレの課題を成し遂げるには、

・言語機能
一例：数字の理解。

・論理的思考
一例：順序立てて考え、候補となる数字を当てはめていく。

・ワーキングメモリ（Working Memory：作業記憶・作動記憶）
一例：当てはまる可能性のある数字などを覚えておく。

・思考セットの変換（思考の柔軟性）
一例：縦・横・ブロックなどと、適宜視点を変える。

・注意機能（選択性・持続性・転導性・分配性注意）
一例：候補となる数字を考え、注意を持続させる。

などが要求されるのではないかと推測されます。

臨床家の中には、上述の認知機能へのアプローチを目的として、

・注意機能障害
・遂行機能障害（前頭葉機能障害）

などの症状が見られる方に対してナンプレを使われる方もいるのではないかと思います。

【ナンバープレース：Number Place・Figure Place】