【発語失行-構音：歌を使った練習歌詞カード】失語症教材・課題のプリント – リハプリント

2022年5月15日2023年1月15日

発語失行-構音：歌を使った練習歌詞カード
【PT・OT・ST】リハビリ専門家のための教材・素材集

【更新状況】 2022年5月15日（日）

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今回の課題プリントは、言語聴覚士（ST）の方などが支援の際に使える、歌を使った構音練習用の歌詞カードプリントです。
発語失行があるものの、歌が唄える失語症の方が、文〜文章での構音・韻律（プロソディ）の練習をする際に使える課題です。歌を導入することで机上課題などに変化を持たせることができます。また、目標とする音の構音練習としても繰り返しやすい課題ではないかと思います。

【対象例】
・失語症（中等度〜軽度：発語失行があるものの、歌が唄える方）

【実施例の説明】
①歌を唄う活動を通して、目標の音（例：「さ音」の練習として「さくらさくら」を唄う）などの正しい構音を引き出したり、正確な構音を意識しつつ唄います。その他にも、スムーズに話す練習としても活用できます。
②目標とする音の構音が、歌を唄っている時の方が上手く発声しやすい場合には、歌を通して練習しつつ、単音節でも正しい構音ができるように段階的に練習していきます。
③歌詞が印刷されたプリントに、目標とする音に、わかりやすいように印をつけて、歌を唄う際に正しく発声するように注意を促します。
④歌のメロディーを徐々に無くしていき、歌詞の音読に移行していきます。
⑤応用例１：自宅での自主練習として、定期的に歌を唄う習慣をつけてもらう。
⑥応用例２：グループ活動や、何かの催しで発表するなどの目標を持ち練習をする。

【発語失行と改善の予測因子】
発語失行に関連する論文を探していると興味深い論文が見つかりました。
論文によると

発語失行（AOS：Apraxia Of Speech）の回復の神経基盤は不明のままです。

・・・・

脳卒中後の発語失行患者9例と言語障害のない左半球損傷の脳卒中患者6例を調査した結果によると、初期評価時点の

✔︎ 半球間の下前頭回（IFG：Inferior Frontal Gyrus）の機能的結合

は、発語失行の回復の予測因子である可能性があります。

出典：
Longitudinal changes in functional connectivity in speech motor networks in apraxia of speech after stroke | PubMed
（脳卒中後の発語失行における発語運動ネットワークにおける機能的結合の縦断的変化）
Front Neurol. 2022 Nov 30

とのことでです。
このように、改善の可能性を考察する上で何かしらの指標があると支援する側も見通しを立てやすくなるのではないかと思います。

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