【半側空間無視】線分二等分のスクリーニング検査・評価用紙 – リハプリント
【半側空間無視】線分二等分のスクリーニング検査・評価用紙
【PT・OT・ST】リハビリ専門家のための教材・素材集
【更新状況】 2022年3月3日(木)
ページを公開しました。
半側空間無視(Unilateral Spatial Neglect:USN)・左半側空間無視(Left Unilateral Neglect)のスクリーンニング評価目的で活用できる線分二等分(線分2等分)用の線のプリントです。
線分二等分検査は、線が一本〜数本引かれているとてもシンプルな課題ではありますが、実際に自分で作成しようかな?と思ってみても、
「ところで・・・線の長さは、何cmにしようか?」
などと考えてしまい、なかなか手が進まないので、インターネット上でダウンロードできるようであれば、サクッとダンロードして使いたいですよね!
今回、実際に2枚のプリントを作成してみたところ、情報収集も含め2時間ほど時間がかかってしまいました…
実際の臨床では、真ん中から何cmずれたのか?などを、その場で簡単に把握できるものがあると便利ではないかと思いましたので、今回は、試行的に簡易メモリも1枚のプリント内に掲載してみました。メモリを使う際には、紙をグニャッと丸めて線分二等分用の線に合わせて使ってみてください。
【対象例】
・半側空間無視が疑われる方
【実施例の説明】
・プリントの上下を間違えないように気をつけて、対象者の中央に配置し、線分の真ん中に縦線を入れてもらうように指示をする。
【プリントの限界】
このプリントは、あくまで、スクリーニング目的で活用します。
半側空間無視が疑われる場合には、
・行動性無視検査(Behavioural Inattention Test : BIT)
で半側空間無視の程度や性質などの精査を実施する必要があります。
参考値として、BITの線分二等分検査(3本線)の20.4cmの線分では、中心から
・12.7mm以内:3点(満点)
・19.1mm以内:2点
・25.4mm以内:1点
・25.5mm以上:0点
のようです。
BITで検査後に、定期的に半側空間無視の状況・経過を簡易的にチェックする際に、今回のプリントが役立つのではないかと思います。
【情報:2024年7月13日(土)】
左半側空間無視用に、受動的な視覚性注意課題を公開しました。
一般的な左USNに対する机上の視覚探索課題では
・能動的な注意(探索)
*「物体の空間的な位置」の情報処理に関わる「背側皮質経路・背側注意ネットワーク」(where経路)
が要求されますが、以下のリンク先
:【動画版】左半側空間無視用の視覚性注意課題(刺激反応課題・受動課題)
の視覚性注意課題では、より
・受動的な注意
*「物体の存在」や「物体の認識」の情報処理に関わる「腹側皮質経路・腹側注意ネットワーク」(what経路)
が要求されるのではないかと推測されます。
【半側空間無視】線分二等分線のスクリーニング用紙
【半側空間無視】20cm版:線分二等分のスクリーニング検査・評価用紙
・線分の長さ:20cm
・線の太さ:2mm
・簡易メモリ:左右に5cm(1メモリ1cm間隔)
パソコンで作成時点では、上記の設定にしてパソコン上で編集しましたが、実際に印刷すると、線分の長さや、簡易メモリの長さなどが変化する可能性も考えられますので、数値は参考程度に捉えていただけますと幸いです。
半側空間無視のスクリーニング検査プリントを無料ダウンロード
:【半側空間無視】20cm版:線分二等分のスクリーニング検査・評価用紙 | 無料ダウンロード
【半側空間無視】10cm版:線分二等分のスクリーニング検査・評価用紙
・線分の長さ:10cm
・線の太さ:2mm
・簡易メモリ:左右に5cm(1メモリ1cm間隔)
パソコンで作成時点では、上記の設定にしてパソコン上で編集しましたが、実際に印刷すると、線分の長さや、簡易メモリの長さなどが変化する可能性も考えられますので、数値は参考程度に捉えていただけますと幸いです。
半側空間無視のスクリーニング検査プリントを無料ダウンロード
:【半側空間無視】10cm版:線分二等分のスクリーニング検査・評価用紙 | 無料ダウンロード
以上、線分二等分の評価用プリントです。
10cm版と20cm版の2パターンを作成した意図として、以下の論文
線分二等分検査における線分の長さ,位置,使用手の効果
-健常大学生での予備的検討-愛媛大学教育学部紀要 第57巻 61 ~ 66 2010
で
・偽性無視(pseudoneglect)
に関する知見を知ったからです。
偽性無視というのは、
・脳損傷のない健常者の方に線分二等分検査を実施した場合に、二等分した線が真ん中よりも若干左側に偏位する傾向が見られる
現象のようです。
上述の研究では、右利きの大学生・大学院生を対象に今回公開しているプリントとは違う形式の二等分線の提示の仕方のようですが、課題プリントを中央に配置した状態で、線分を二等分する場合、
・線分の長さが5cm・10cmでは右側へ偏位
・線分の長さが15cm・20cmでは左側へ偏位
する傾向があったようです。不思議ですね。
半側空間無視のスクリーニングで使える線分抹消課題やトレーニング用紙などを公開中です。
:【半側空間無視】線分抹消課題のスクリーニング検査・評価・トレーニング用紙のダウンロードページへ
半側空間無視用抹消課題も公開中です。
:半側空間無視用抹消課題・キャンセレーション課題プリントのダウンロードページへ
左半側空間無視向けの受動的な視覚性注意課題
:【動画版】左半側空間無視用の視覚性注意課題(刺激反応課題・受動課題)
仮名拾い課題(かなひろい課題)
:【文章・物語版】仮名拾い(かなひろい)課題のプリントのダウンロードページへ