考えてる?AI(人工知能)のリハビリテーション応用「第7回 保健医療分野AI開発加速コンソーシアム(資料)」を参考に(2019年4月)
AIの期待…熱は冷めましたか?
人工知能(AI:Artificial Intelligence)とリハビリテーションに関連する国の施策の話題として、
:そろそろ人工知能とリハビリテーションの話をしよう。「 保健医療分野におけるAI活用推進懇談会報告書 」を参考に(2017年6月)
で、少しだけ人工知能とリハビリへの応用・活用などについて触れさせていただきましたが
「 人工知能、人工知能って、もう飽きました 」
「 結局、何も臨床現場は変わっていない… 」
という方も多いのではないかと思います。
Googleトレンドでキーワード「 人工知能 」(対象:日本)を調べてみると、2016年をピークに徐々に日本での人気度が低下しているようです。
対して、キーワード「 Artificial Intelligence 」(対象:全て)を調べてみると、2004年2月をピークに一旦徐々に下降し、2018年1月にかけて上昇後一定の人気度をキープしているようでした。
* 2019年4月17日確認時点
これまでの世の中の人工知能のブームについて運営者なりに簡単におさらいしてみると、2016年前後にかけての人気度の上昇は
機械学習の一種、深層学習(ディープラーニング)という技術を活用することで、画像認識などの認識精度が良くなリ始めたので、認識系の技術を様々な分野に応用していく期待が高まった。
といったところでしょうか。その後も、人間の仕事がなくなる…などの不安を煽るような書籍やメディア情報などがあふれましたが、最近では
「 それほどでもないな 」
と思っている方も出始めているのではないかと思います。
一般の方を始め、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの臨床家が、人工知能のことについてすでに忘れ、日々の臨床で目まぐるしく働いている一方で、医療領域などに関連しそうな国の施策の情報を探してみると、現在も着々と人工知能の応用に向けて国は動いているようでしたので、今回は取り上げさせていただきたいと思います。
AIの開発・利活用が期待できる分野/領域にリハビリテーションもあるみたいです
いつものように、厚生労働省のサイトに訪問してみると
「 第7回 保健医療分野AI開発加速コンソーシアム 資料
」
出典:
厚生労働省のウェブサイト
新着情報 – 2019年4月17日(水)掲載
第7回 保健医療分野AI開発加速コンソーシアム 資料
(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000148680_00008.html)
2019年4月17日利用
が公表されているようでしたので、早速資料を確認してみました。
すると…
出典:
厚生労働省のウェブサイト
新着情報 – 2019年4月17日(水)掲載
第7回 保健医療分野AI開発加速コンソーシアム 資料
別添1- 健康・医療・介護・福祉領域においてAIの開発・利活用が期待できる分野/領域(案)PDF
(https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000502271.pdf)
他の資料も読んでみたところ上記の資料は、
厚生労働省「保健医療分野AI開発加速コンソーシアム」において整理された俯瞰図(2019年3月20日)
のようでした。
健康・医療・介護・福祉の領域を横断する形で、リハビリテーションの領域も、AIの開発・利活用が期待できる分野/領域の対象にしていただいているようでした。
参考資料の中には、社会実装へ向けた具体的な取り組みについても触れられているようでした。
詳しい内容については、出典の資料の該当ページをご確認ください。
<具体目標と取組>
(1)健康・医療・介護<具体目標1>
健康・医療・介護分野でAIを活用するためのデータ基盤の整備<具体目標2>
日本が強い医療分野におけるAI技術開発の推進と、医療へのAI活用による医療従事者の負担軽減<具体目標3>
予防、介護分野へのAI/IoT技術の導入推進、介護へのAI/IoT活用による介護従事者の負担軽減<具体目標4>
世界最先端の医療AI市場と医療AIハブの形成<具体目標5>
医療関係職種の養成施設・養成所におけるAIを活用した教育の実施、医療従事者に対する、リカレント教育の実施
出典:
厚生労働省のウェブサイト
新着情報 – 2019年4月17日(水)掲載
第7回 保健医療分野AI開発加速コンソーシアム 資料
参考資料5「AI戦略2019」(有識者提案)~人・産業・地域・政府全てにAI~ PDF P36-38より一部引用
(https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000502282.pdf)
さて、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の皆さん、何をしましょうか?
各資料内の委員等名簿を確認してみても、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士らしき方の名前はありませんでしたので、おそらく知らない間に着々と、ある程度のところまで、ことが進むのではないかと思います。
Twitter等SNSの投稿情報などを確認していると、ビッグデータ分析・人工知能などの情報系の領域に関わられているリハビリ専門家の方も少数ながらいらっしゃるようでしたので時代の変化を感じさせられます。
何れにせよ、時代性や現場のニーズをよく汲みとっていただいた上で、人工知能系の技術(認識技術・特徴量の抽出等)を活用した各種サービス・アプリ・支援機器等が開発されることを期待したいと思います。
人工知能に関心のあるリハビリ専門家の方は、今回公表されている一連の資料を時間のあるときに読んでいただき、未来について夢想してみると面白いかもしれませんよ。