どうなってる? 医療と介護の連携:リハビリ関連の話題をピックアップ(2017年5月17日公表 第351回:中医協総会より)

2017年9月27日



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中央社会保険医療協議会(中医協) 総会(第351回)をチェック

 

2017年(平成29年)5月17日に厚生労働省のウェブサイトで公表された情報

 

中央社会保険医療協議会 総会(第351回) 議事次第

出典:
厚生労働省のウェブサイト
中央社会保険医療協議会 総会(第351回) 議事次第
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000164669.html
2017年5月17日利用

 

は、もうチェックされましたか?

 

 

一連の公表資料を閲覧してみると、医療保険領域や介護保険領域でご活躍中の、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の方々に関連しそうな情報も公表されているようでしたので、臨床家の方々が情報収集しやすいようにリハビリ関連の話題をピックアップしておこうと思います。

 

 

医療と介護の連携に関する意見交換の報告について

出典:
厚生労働省のウェブサイト
中央社会保険医療協議会 総会(第351回) 議事次第

 

総-6:医療と介護の連携に関する意見交換における主な御意見【概要版】(PDF)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000164985.pdf
2017年5月17日利用

 

ー 以下、引用 ー

テーマ3:リハビリテーション

急性期や回復期のリハビリテーションにおいて、目標設定支援の視点に基づくリハビリテーションをより一層推進することについて

 

○ 急性期・回復期・維持期・生活期というリハビリテーションの流れを考えると、急性期の時から、生活上の目標設定の視点に基づくリハビリテーションを進めることが重要。

○ 患者が自宅に帰った後までを想定した目標設定をするためには、急性期のリハビリテーションを担っている病院における多職種カンファレンスが重要。

 

 

 

疾患別リハビリテーションの維持期における介護保険への円滑な移行を含め、医療と介護との間で切れ目のない継続的なリハビリテーションを効果的に提供することについて

 

○ 介護保険に移行できる人はできるだけ移行するとともに医療保険でのリハビリテーションが必要な人は引き続き残れるよう、標準的算定日数を超過して医療保険の疾患別リハビリテーションを受けている要介護被保険者の状態を明らかにする必要がある。

○ 10年近く維持期のリハビリテーションの介護への移行が延期されているが、次回改定は医療と介護の同時改定であり、円滑に介護保険に移行するための絶好の機会。

○ 医療保険から介護保険に紹介がある場合、FIMデータばかりで活動と参加に関するデータがないのが現状。情報共有の際、身体能力等について共通した項目があったほうがいいが、まずは活動と参加の状況について、医療と介護の共通の項目を作るべき。

 

 

 

医療と介護の連携・移行をより効率的に推進する観点から、リハビリテーションにおける実施計画書等の在り方について

 

○ 施設基準や要件のさらなる緩和やリハビリテーションにおける実施計画書等の共通化による情報共有等、非効率な運用を改善する必要がある。

○ 医療と介護のリハビリテーションにおける実施計画書等は、互換性を持たせて、情報の引き継ぎが円滑にいくように検討していくべき。

 

 

総-6参考1:医療と介護の連携に関する意見交換における主な御意見(PDF)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000165009.pdf
2017年5月17日利用

 

ー 以下、引用 ー

【テーマ3:リハビリテーション】

急性期や回復期のリハビリテーションにおいて、目標設定支援の視点に基づくリハビリテーションをより一層推進することについて、どのように考えるか。

 

○ 急性期における目標設定支援の視点に基づくリハビリテーションの推進は、医療保険から介護保険の移行や活動・参加を見据えたリハビリテーションの実施を促進する上で必要であるが、曖昧な目標設定を防ぐ観点から、目標設定の質を向上させるための研修も必要。

○ 目標設定等支援・管理料を算定する上で、保険者である市町村等から主治医意見書を作成した医療機関等に対して、要介護認定を行ったことを通知する仕組みが必要。

○ 急性期・回復期・維持期・生活期というリハビリテーションの流れを考えると、急性期の時から、生活上の目標設定の視点に基づくリハビリテーションを進めることが重要。

○ 急性期のリハビリテーションを担っているところは、患者が自宅に帰った後までを想定した目標設定をせず、退院がゴールになっている現状がある。自宅に帰った後までを想定した目標設定をするために、病院の中で多職種カンファレンスが重要な機能を果たすと考えられる。

 

 

 

疾患別リハビリテーションの維持期における介護保険への円滑な移行を含め、医療と介護との間で切れ目のない継続的なリハビリテーションを効果的に提供することについて、どのように考えるか。

 

○ 介護保険に移行できる人はできるだけ移行するとともに、医療保険でのリハビリテーションが必要な人は引き続き残れるようにする必要がある。そのためにも、標準的算定日数を超過して疾患別リハビリテーションを受けている要介護被保険者の状態を明らかにする必要がある。

○ 医療から介護への移行に当たっては、医療と介護の間だけでなく、病気が変わるときに具体的にどのような情報を伝えるべきかを整理して標準化を図り、それを全てのサービス提供者が共有する必要がある。

○ 医療機関における通所リハビリテーションの認可や、通所リハビリテーションにおける利用者の送迎に関して、医療と介護が同じような立て付けでできると、医療から介護へスムーズな移行ができる。

○ 10年近く維持期のリハビリテーションの介護への移行が延期されているが、次回改定は医療と介護の同時改定であり、円滑に介護保険に移行するための絶好の機会。

○ 利用者一人一人に対して丁寧に向き合った上で、医療も介護も提供していくことが必要。介護に移行するために医療保険における維持期のリハビリテーションを廃止するというのは乱暴。

○ 介護保険では活動と参加を目標とするようになっており、医療保険も単なる筋肉リハビリテーションではなく活動や参加を目的とすることになっているが、医療保険から介護保険に紹介がある場合、FIMデータばかりで活動と参加に関するデータがないのが現状。情報共有の際、身体能力等について共通した項目があったほうがいいが、まずは活動と参加の状況について、医療と介護の共通の項目を作るべき。

○ 介護保険のリハビリテーションについて、医療保険のリハビリテーションよりも国民が信頼性を置いているものが少ないことが、円滑な移行を妨げている。

○ 国民のリハビリテーションに対するイメージは、リハビリテーション室に行って体を動かすことが通常で、日常生活の中でやっているというイメージがない。医療から介護への移行に当たっては、移行における適切な説明や、介護保険で利用するリハビリテーションについて見学や体験を行い、患者が納得して移行することが必要。

○ 訪問リハビリテーションからデイサービスやデイケアに切り替わった場合においても、目標設定が共有されている情報共有の仕組みが必要。

○ 急性期から生活期へと移行し、医療から介護に引き継がれる際、特に脳血管疾患等に対する再発防止が重要。再発防止のための生活
習慣の改善は、利用者と頻回に接している介護職が大きな役割を果たす。単に医療から介護へ引き継がれるだけではなく、利用者の日常
生活の状況を、介護から医療あるいはヘルスケア事業を行う民間事業者へ提供して再発防止へつなげることが重要。

 

 

 

医療と介護の連携・移行をより効率的に推進する観点から、リハビリテーションにおける実施計画書等の在り方について、どのように考えるか。

 

○ 施設基準や要件のさらなる緩和やリハビリテーションにおける実施計画書等の共通化による情報共有等、非効率な運用を改善する必要がある。

○ 医療と介護のリハビリテーションにおける実施計画書等は、互換性を持たせて、情報の引き継ぎが円滑にいくように検討していくべき。

○ 同時改定という良い機会なので、実施計画書も平仄を合わせて、うまくひも付けできるように検討することで、医療保険から介護保険へ円滑に移行できる。

 

 

 

その他

 

○ 脳卒中地域連携パスに関して、介護報酬における評価は介護老人保健施設のみが対象となっているため、在宅にまで連携の輪が広がり
にくい状況。さらに広げていくように、居宅介護支援事業所も評価の対象に含める必要がある。

○ 急性期・回復期から在宅に戻るとき介護に慣れるまでの間にアクシデントが発生しないようにすることは、その後の在宅生活を継続する上で、とても重要。そのためにも、例えば転倒リスクが高い人について、どのようなリハビリが必要なのかと同時に、現時点ではどのような対応が適切なのか、どのような変化が見られたらプランを変えていくのか等具体的なことが共有されることが重要。脳卒中地域連携パスの対象を広げることでこの点に関する理解も深まる。

○ 訪問看護師がなかなか増えない中、PT・OTが訪問看護ステーションに勤め、訪問リハビリテーションを増やしているという現状について、あり方を考えたほうがいい。

○ 心身機能へのアプローチだけでなく、活動、社会参加へのアプローチにも焦点を当てることが推進されており、この3つのステップごとに、どこまで目指すのかをしっかりと患者に説明するのが医師の役割。機能回復を追及するあまり、活動や社会参加へのアプローチによるリハビリテーションが遅れることは患者にとって逆効果になることがある。

○ 早く元の状態に戻すためには、早期にリハビリテーションに取組む必要があり、病気になったらすぐリハビリテーションをしないと効果がないが、急性期病棟にリハビリテーション能力がない病院が多く、1週間以上リハビリテーションもなく入院している場合が多い。そのことが日本で寝たきりが多い原因と考えている。早くリハビリテーションを行うことを評価し、早く元の状態にすることで、介護保険に移行する人は程度が非常に重い人で、状態の維持を目的としたものに限られる。介護保険と医療保険の接点をうまくやると、寝たきりが減って、医療費も減ると考えている。

○ 心大血管リハや呼吸器系リハについて、標準的算定日数を超えた場合は維持期のリハビリテーションの一つだということであれば、主体は生活と活動になるため、介護保険に移行すべき。

○ 心臓や肺の疾患に対するリハビリテーションは、医療保険で継続してみなければいけないが、脳血管障害や整形疾患で、ある程度の日常生活に戻れた人がデイケアやデイサービス、または介護老人保健施設への入所し、状態を維持できるように行うのが介護のリハビリテーションであり、両方とも必要。医療と介護の接点はお互いが手を伸ばしながら補完していく姿勢が必要。

 

 

長文ではありますが・・・
一読してみた感じはいかがでしたか?医療保険制度下や介護保険制度下で働かれているPT・OT・STの臨床家の方にとっては、

 

そうそう

あるある

 

などと感じることもあったのではないかと思います。

 

 

引用させていただいた、上記のような意見も踏まえて、次回の医療保険・介護保険の改正にどう反映されてくるのか?
今後の動向が気になりますね。

 

 

いずれにせよ、サービスを受けていただく方々にとって、より良い改定となることを期待したいと思います。

 

 

 

 

 

その他にも、

 

入院医療(その4)について

出典:
厚生労働省のウェブサイト
中央社会保険医療協議会 総会(第351回) 議事次第

総-7:入院医療(その4)(PDf)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000165095.pdf
2017年5月17日利用

 

では、

 

回復期リハビリテーション病棟

 

関連の話題も取り上げられているようでしたので、回復期病棟などで働かれている方などは、お時間のある時に一読してみてください。

一部のみ引用しておきますね。

 

ー 以下、引用 ー

入院医療の課題(案)【回復期リハビリテーション病棟入院料】

 

1.医療の提供体制

・届出病床数は増加傾向、入院料の区分別にみると、回復期リハビリテーション病棟入院料1と入院料2が多い。

・回復期リハビリテーション病棟を有する医療機関で、他の入院基本料の届出状況をみると、入院料1では、一般病棟入院基本料(7対1と10対1)と療養病棟入院基本料を持つ医療機関の割合が多く、入院料2と入院料3では、一般病棟入院基本料(10対1)と療養病棟入院基本料を持つ医療機関の割合が多い。

・回復期リハビリテーション病棟を有する医療機関のうち、訪問や通所でのリハビリテーションの実施状況をみると、訪問リハビリテーションは約30%、通所リハビリテーションは約44%の医療機関が実施していた。

 

 

2.患者の状態と医療内容

・入院患者の約66%が75歳以上となっている。

・認知症日常生活自立度をみると、約17%の患者は自立している一方で、約28%の患者はランクIII以上であった。

・入院患者の入棟時の日常生活動作(ADL)の指標をみると、入院料1については低い点数の者が多く、入院料3については高い点数の者が多かった。

・入棟時と入棟後3か月目とで、日常生活動作の指標の点数の差(改善状況)を、75歳以上と75歳未満で分けてみると、年齢にかかわらず、0~10点の変化幅の患者が最も多かった。

・入棟後3か月目のBIの改善についてみると、入院料1及び入院料3は0~10点の変化幅の患者が最も多く、入院料2は10~20点の変化幅の患者が最も多かった。

・在宅復帰率別に病棟数の分布をみると、在宅復帰率60%以上の病棟がほとんどであるが、入院料3では、約20%の病棟が在宅復帰率60%未満であった。

 

 

○ 回復期リハビリテーション病棟は、主にADL向上による寝たきりの防止と在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に行うための病棟であるが、効果的なリハビリテーションが提供できるよう、

・ できるだけ早期から集中的なリハビリテーションの実施を推進するような評価のあり方

・ リハビリテーションの提供量だけでなく、アウトカムにも着目した評価のあり方

等について、どのように考えるか。

 

 

今後、回復期リハビリテーション病棟での評価のあり方が変わってくるのでしょうか?

 

 

 

 

 

( ˊ̱<>ˋ̱ ) 必要そうな箇所だけを探すのって意外に大変だよね〜

 

 

 

 

 

 

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